新型受信機IC-R15をアイコムフェアin東京木場で見てきた

エアバンド受信に特化した新型ハンディーレシーバー

エアバンドファンが待っていたアイコムの新型アナログ受信機はマニアにもビギナーにもお勧めだ!

2023年12月2日に渡橋の木場にあるアイコムの事務所で開催された「アイコムフェアin東京木場」に言ってきたので報告します。
今回は、アイコムの新型リニアアンプ、IC-PW2とハンディーレシーバーのIC-R15のお披露目と概要を説明したアイコムスタッフによる講演が行われました。
そこで今回はハンディーレシーバーであるIC-R15に話題を絞って報告して行きます。

ロングセラーならではの悩みがIC-R6にはあった

ハンディーレシーバーの現行機種であるIC-R6、受信マニアやビギナーにも大変人気の機種であることは読者の方ならばご存じの通りです。
その人気故にロングセラーとなっており、カラーバリエーション等も相まってユーティリティー局受信愛好家やエアーバンドファンになど長年愛用されています。
しかし、ロングセラーならではのジレンマというか悩みをメーカーは抱えていました。
その悩みというのは、IC-R6がロングセラー故の「使いにくさ」だと講演では語られていました。
発売当初はボディーのデザインや使い勝手の良さなどを追求して、他の受信機を凌駕していましたが、時が経つにつれて他メーカーの受信機の登場などで、どうしてもIC-R6が色あせて見えて見えてきたことは否めない、という危機感からIC-R15の開発はスタートしたようです。
そこでアイコムは比較的マーケットの大きい「エアーバンドファン」へ訴求出来るエアーバンド受信に重点を置いたIC-R15をリリースしました。
事前の調査では、エアーバンドに馴染みが無い女性スタッフにIC-R6を渡して伊丹空港まで行かせてエアバンド受信をさせるなどの社内調査を徹底的に繰り返したとのこと。
IC-R6では、女性スタッフはエアーバンド受信は出来なかった事を教訓として開発を進め、IC-R15の試作機が出来たところで同じ実験を行ったところ、難なくエアーバンド受信に成功したという結果をブラッシュアップして使い勝手を向上させてきたと言います。

IC-R15のために専用展示室を用意

今回開催された「アイコムフェアin東京木場」ではIC-R15を展示するために専用の展示室が用意されました。
IC-R15の公演終了後には、実機を一目見ようとエアバンダー達が集まってきました。

▲アイコムスタッフの説明に熱心に耳を傾けるエアーバンダたち
▲IC-R15の質感は非常に高い

公演はアイコムのエアーバンド大好き女子が担当

早速アイコムスタッフによるIC-R15の公演の様子をお届けします。
公演を担当したのは、エアーバンドの大ファンを自称する女性スタッフ。
公演の他、別室に設けられたIC-R15の展示室でも来場者に「エアーバンド愛ある」説明を熱量高めにしていたのが印象的で、正真正銘のエアバンダーであることが分かります。

▲公演はアイコムスタッフが担当。エアーーバンド愛のある解説などから「エアバンドガチ勢女子」というのが分かる。
▲会場内は熱心なエアーバンダーが多く駆けつけている
▲スタッフによる公演が始まった。

IC-R15の主な特長

まず最初にIC-R15の主な特長が解説されました。
カバーしている周波数の表現に「AM」モードを始めに表記していることからもエアーバンドに注力している受信機という事が分かります。
更に「2波同時受信」はエアバンダーにとっては必須の機能なので、積極的に対応してきてるのは嬉しい限り。
ここで紹介されている「主な特長」を実現するためにIC-R15がIC-R6から進化していると言っても過言ではないでしょう。

新しさと使いやすさを追求

▲エアーバンドの交信の仕組みなどを解説。2波同時受信の必要性などが解説された。
▲IC-R15はシンプル操作とベテランエアバンダーでも納得できる性能を追求したボディデザインを採用している。
▲アイコンを採用した直感的な操作UIを採用している

アイコンと階層メニューによる操作性

IC-R15は直感的な操作が可能なアイコンと階層メニューを採用しています。
「かんたん」操作モードを活用すると、プリセットメモリーも活用できるので、エアーバンド受信に対する基本的な知識が無くても、手軽にエアーバンドが楽しめるように設計されています。

▲アイコム社内でも、エアーバンドの知識が全くないスタッフに「伊丹」に行くように指示してエアーバンド受信機能をブラッシュアップしていた
▲メモリーは2000チャンネル分あるがプリセットで、どこの周波数を設定するか出荷直前までメモリー内容を検討するというこだわりようだ

工場出荷状態に戻したい

IC-R15、色々といじり倒したけど「いったん工場出荷状態に戻したい」と考え方も出てくると思います。
そこでアイコムは「デフォルトのメモリーデータ」を同社のWEBで公開するとしているので、オリジナルデータを作成してもデフォルトメモリーデータを適用すれば工場出荷状態に戻すことが可能です。
またメモリーデータはメモリーカードに保存する手法を採用しています。
手法としては「エアクローン」も検討したとしていますが、転送中のデータの欠落に起因する「文字化け」などを嫌ってメモリーカードでの適用を採用したと言うことです。

2波同時録音にも対応

IC-R15は、2波同時受信を可能としていますが「2波同時録音」も可能としています。
録音モードはいくつかあるようです。
●1ファイル2波録音
●2ファイル2波別々録音
●常時録音モード
●スケルチオープン時のみ録音モード

USB Type-C端子を採用

IC-R15はUSB Type-Cを採用しました。
PCとの接続はもちろんのこと、電池の残量が少なくなってきたときは「モバイルバッテリー」で電池を充電できるようもなっているので、航空祭など長時間IC-R15を使用するときにも安心の設計です。

メモリー編集ソフトは有料で提供

IC-R15を有効に使うためには2000チャンネル搭載されているメモリーを制覇する必要があると感じています。
そんなメモリーを編集するソフトを使いこなす必要が出てきます。
そこでアイコムはIC-R15用のメモリ編集ソフトのリリースを決定しました。
ただしソフトは無料での配布ではなく「製品として」有料での販売となります。

お気に入りモード

IC-R15には「お気に入り」というアイコンが存在しています。
受信している周波数がメモリーされていなくても「お気に入り」アイコンを活用すればお気に入りのメモリーバンクに記録することが可能です。

会場内は熱心なエアバンダーが駆けつけた

▲IC-R15と同時にハイパワーリニアアンプのIC-PW2の解説も行われ、熱心なOMがからの質問攻めにスタッフもタジタジだ
▲IC-905にも関心が集まっている

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